はじめに|明治時代って何?どうして始まったの?
「明治時代とは何か?」──この問いは、日本の歴史を語る上で欠かせないテーマです。江戸幕府という長く続いた封建体制が終わりを迎え、日本は西洋列強と肩を並べる近代国家へと大きく舵を切りました。このブログでは、江戸時代がなぜ終わったのか、そして明治時代がどのように始まり、どんな変化を経て大正時代へと移っていったのかを、歴史に詳しくない方にもわかりやすくご紹介します。
明治時代とは?いつからいつまで?
明治時代は、**1868年(明治元年)から1912年(明治45年)**までの45年間を指します。この期間、日本は天皇を中心とした中央集権的な国家体制へと生まれ変わり、西洋の文化や技術、制度を次々と導入していきました。「文明開化」「富国強兵」「殖産興業」などのスローガンのもと、政治・経済・社会のあらゆる分野で近代化が進められたのが、この時代の特徴です。
江戸時代はなぜ終わったのか?
明治時代の始まりを語るには、まず江戸幕府の終焉について理解しておく必要があります。江戸時代後期、1853年にアメリカのペリー提督が黒船を率いて浦賀に来航し、日本に開国を迫りました。幕府は日米和親条約を結びましたが、この対応に対して国内では不満が噴出します。さらに、欧米との不平等条約が結ばれたことで、「攘夷」すなわち外国排斥を訴える運動が広がり、幕府の権威は大きく揺らいでいきました。
これに対して、尊王攘夷を掲げる**薩摩(さつま)や長州(ちょうしゅう)などの有力藩が力をつけていき、幕府打倒の動きが加速します。最終的に1868年に始まった戊辰戦争(ぼしんせんそう)**によって旧幕府勢力は敗北し、徳川慶喜(とくがわ よしのぶ)は政権を朝廷に返上しました。こうして約260年にわたる江戸時代は幕を閉じ、日本の政治体制は大きく変わることとなったのです。
明治維新とは?そして何が変わったのか?
明治政府は、旧来の身分制度や藩の枠組みを解体し、新たな国家体制の確立に乗り出します。特に重要なのが、「明治維新(めいじいしん)」と呼ばれる一連の改革です。明治初期には、「版籍奉還(はんせきほうかん)」により全国の大名が土地と人民を朝廷に返上し、さらに「廃藩置県(はいはんちけん)」によって藩が廃止され、全国が県に再編成されました。これにより、天皇を中心とした中央集権体制が実現されたのです。
また、兵制や教育制度も大きく変わりました。1873年には「徴兵令(ちょうへいれい)」が出され、武士ではなく全国民から兵士を募る体制に。教育面では1872年に「学制(がくせい)」が制定され、全国に小学校が整備されていきました。このようにして、日本は国家としての“形”を近代化させていったのです。
富国強兵と日清・日露戦争の時代
明治政府は、単に制度を整えるだけでなく、国そのものの力を高めるための政策「富国強兵(ふこくきょうへい)」を掲げました。国内産業を育てるために官営工場が各地に建てられ、西洋技術の導入も積極的に行われました。これを「殖産興業(しょくさんこうぎょう)」と呼びます。さらに、軍事力の強化を進めた結果、1894年には清と、1904年にはロシアと戦争を行い、いずれも勝利を収めることになります。
日清戦争では台湾を獲得し、日露戦争では世界を驚かせる快挙を達成。これにより、日本は“アジアの新興国”から“世界の列強”の仲間入りを果たすこととなりました。
明治から大正へ──時代はどう変わった?
1912年、明治天皇が崩御したことで明治時代は終わりを迎えます。後を継いだのは大正天皇で、これにより日本の元号は「大正」に変わりました。表向きは天皇の代替わりによる自然な時代交代ですが、実際には社会の空気も大きく変わりつつありました。
日露戦争後の日本では、国民の政治参加意識が高まり、「政党政治」や「普通選挙」を求める声が強まっていきます。これがいわゆる大正デモクラシーの時代へとつながっていくのです。つまり、明治時代は国家を“近代化”させる時代だったとすれば、大正時代は国民が“政治を動かす”ことを求める時代だったとも言えるでしょう。
明治時代を感じる場所を訪ねてみよう
明治時代を今に伝える建物や場所は、全国に点在しています。たとえば、東京の明治神宮は明治天皇と昭憲皇太后を祀る神社で、静寂に包まれた境内はまさに明治の精神を感じられる空間です。また、群馬県にある富岡製糸場は、明治政府の殖産興業政策の象徴であり、ユネスコ世界遺産にも登録されています。さらに、東京駅(1914年竣工)は明治の終わりから大正の始まりを象徴する近代建築として知られています。
おわりに|明治時代とは“転換点”そのものだった
明治時代とは、ただ年号が変わっただけの時代ではありません。江戸という旧体制の終焉から、新たな国家を築き上げるまでの、まさに“転換点”とも言える時代です。日本が列強に追いつこうと奮闘し、国民の生活が大きく変わったこの時代を知ることは、現代日本の成り立ちを理解するうえでも非常に重要です。
これからも歴史を深く知りたい方に向けて、関連する時代や人物についてもわかりやすく発信していきますので、ぜひ別の記事もご覧ください。
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